長期優良住宅の注文住宅を建てるメリットは?認定の基準や条件を解説!
公開日:2023/04/15 最終更新日:2023/04/27
家づくりを始めると「長期優良住宅」という言葉を耳にすることがあるでしょう。なんとなく高性能な住まいというイメージがあるかもしれませんが、家づくりをするならきちんと理解しておくことが重要です。そこで本記事では、長期優良住宅で住まいを建てるメリットや基準、条件などを解説します。
長期優良住宅とは
家づくりを始めると、長期優良住宅という言葉を耳にするのではないでしょうか。家は人生で一度きりの買い物になるケースが大半であり、なおかつ高額な費用がかかります。また、数十年以上住み続けることになるため、長く快適に住める環境が必要になります。
しかし、よい住まいの基準が決まっていなければ、購入者はどれがよい住まいなのかを判断できません。そこで、長く快適かつ安心して暮らせる住まいとして「長期優良住宅」の制度が取り入れられたのです。
長期優良住宅は2009年に制度がスタートしており、耐震性や省エネルギー性、居住環境などの厳しい条件をクリアすることで認定を受けられます。ただ、長期優良住宅を取得すれば住まいの性能が評価されていると判断できるので、購入者にとっては安心できるポイントとなります。
長期優良住宅の注文住宅を建てるメリット
長期優良住宅で家を建てると、さまざまなメリットがあります。
住宅ローン控除の優遇
マイホームは住宅ローンを組んで購入する方が大半ですが、長期優良住宅なら住宅ローン控除の優遇を受けられます。具体的には、控除対象限度額が4,000万円から5,000万円に引き上げられます。上限が引き上げになることで、受けられる控除額が大きくなります。
投資型減税を受けられる
住宅ローンを利用せず、自己資金のみで住宅を購入した場合にもメリットがあります。長期優良住宅を取得するためにかかった費用の10%から所得税から控除される仕組みで、これを投資型減税といいます。最大控除額は65万円で、1回のみ適用されます。
不動産所得税の減税
住宅を購入すると、不動産所得税が発生しますが、長期優良住宅なら控除額が多くなります。一般的な住宅の場合、控除額は1,200万円ですが、長期優良住宅だと控除額が1,300万円となるので、不動産所得税の負担を軽減できます。
登録免許税の税率引き下げ
住宅を建てたり、購入したりするときは、登録免許税が発生しますが、長期優良住宅なら登録免許税の税率が引き下げられます。一般的な住宅だと保存登記が0.15%、移転登記0.3%ですが、長期優良住宅だと保存登記0.1%、移転登記0.2になるので税負担額が減ります。
固定資産税の減税期間延長
一般的な一戸建て住宅の場合、購入から3年間は固定資産税の負担額が2分の1に減税されます。一方、一戸建てで長期優良住宅だと、減税期間が5年間に延長となります。固定資産税の負担額を減らせるのは、魅力だといえるでしょう。
住宅ローンの金利優遇
「フラット35」を利用して住宅ローンを組む場合、長期優良住宅だと金利優遇を受けられます。また、長期優良住宅で勤続年数や年収などの条件をクリアするとさらに金利の低い「フラット35S」が適用されるケースもあります。
地震保険料の割引
長期優良住宅の認定を受けるには、耐震等級2以上という条件をクリアしなければなりません。そして、耐震等級の高い住まいは地震保険料が割引となります。耐震等級2の割引率は20%、さらに耐震等級3の割引率は30%です。
長期優良住宅と認められるには?基準や条件について
長期優良住宅の認定を取得するには、設けられている9つの項目の基準をクリアする必要があります。9つの項目とは「耐震性」「劣化対策」「可変性」「省エネルギー対策」「高齢者対策」「可変性・更新の容易性」「住居面積」「居住環境への配慮」「維持保全計画」のことです。たとえば、日本は地震大国であり、いつ何時大きな地震が発生するか分かりません。そこで、耐震性という項目では耐震等級2以上が必須条件として定められています。このように、各項目において詳細な基準が設けられており、すべての基準をクリアすることで認定を受けられるのです。そして、実際に認定を受けるときは、長期優良住宅の普及をサポートしている住宅性能評価機関に技術審査を依頼し、問題なくクリアできれば適合証がもらえます。そして、適合証と必要な申請書類を所管行政庁に提出し、審査が行われて問題がなければ認定を受けられる仕組みです。
まとめ
長期優良住宅を取得できれば、住宅の性能が保証されているといえるので、居住者の安心につながるでしょう。ただ、認定を受けるには9つの項目すべての基準をクリアしなければならないので、容易に取得できるとはいい切れません。そこで、長期優良住宅の認定を受けた住まいを条件とするなら、認定の取得実績が豊富なハウスメーカーや工務店に依頼するようにしましょう。また、長期優良住宅は住宅の性能が評価されていることに加え、地震保険や割引になったり、税制優遇を受けられたりするメリットもあります。